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台風の迫る6月中旬の日曜日、備前貢さんを迎えてのタイイング教室はそれでも穏やかに始まった。前置きなしでいきなりアダムスパラシュートを巻き始めた備前さんは、意外なほどに緊張されていて、それが逆に人間くささを感じさせてくれた。
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それでも持ち前のしゃべりで自らの緊張をほぐしながら、ボビンを回して肩に入った力をほぐしながら、徐々に備前さんはいつものペースを取り戻し始めたようだった。
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私は備前さんの隣に座ったのだが、ふと彼のタイイングは(それはタイイングしながらのおしゃべり込みで)なんだか流しソウメンみたいだ、と思った。タイイングそのものがソウメンで、全く自然に出てくる話がさながらソウメンを流す自然な水の流れというところか(竹のすべり台を流れる水が自然かと言うとはなはだ疑問ではあるが)
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そしてツルッと通る(タイイングを目で捉えてお話を耳で聞く)その喉ごしの爽やかさは、揖保の糸ならぬ備前節とでも言えようリズムを持って、私たちを魅了した。
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もはやその勢いを止められなくなった備前さんは饒舌と饒巻き(そんな言葉ある?)に更に拍車がかかり、次々とタイイングのマル秘テクを公開してくださった。それでも巻き方のノウハウが上手く伝わらない時のそのもどかしさを体で表現する様は、まさに「愛すべきフライタイヤー」なんて称号を勝手に与えてしまうほどだった。
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備前さん、本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。あと、あの「うちわ」の風はキモチ良かったですか?